重い瞼をうっすら開けると、カーテンの隙間から差し込む朝陽が眩しくて、思わずことはは目をぎゅっと閉じた。
「んんっ…」
 気だるい少し身体を伸ばして枕元にある時計を見ると、もう7時は過ぎていた。暖かい陽射しと、小鳥たちの鳴き声が心地良い。
 ことはが身をよじると、隣で眠っていた千明もそれに気付いて目を覚ましたようだった。

「…今何時だ?」
「7時ちょっと回ったとこ」
「そうか…はぁーあ…」
 大きなあくびをする千明を見て、ことはは思わずくすくす笑ってしまった。
「なっ、何だよなにかおかしいか?」
「ううん、何でもないよ」
 そんな千明の姿が、なぜだか愛おしく感じた、とは恥ずかしくて言い出せなかった。

「それよりことは、寒くないか?」
 千明はことはのほうへ向き直って、肩に優しく触れる。
「大丈夫やけど…なんでそんなこと聞くん?」
「それは、その…」
 口にするのが躊躇われ、千明は口ごもってしまった。
 昨晩、お互いにあのまま眠ってしまい、何も身に着けていないから…とは少々恥ずかしくて言えなかったのだった。

「千明の手、大きいなあ」
 そんな千明の心配をよそに、ことははそう言って千明の右手に自分の手を重ね合わせていた。
 自分の手と比べ合って、にこにこ笑っていることはの姿を見ていると、心配事なんてどこかへ吹き飛んでいくような気持になる。千明も、つられて笑ってしまった。

 そのまま、ことはは愛おしそうに千明の右手を両手で包み込んでそっと口づけた。
 思わずはっと目を目を丸くする千明。そして、思わずことはを抱きしめてしまっていた。
「ち、千明…」
「…そんなことされちゃ、俺だって…」
 言葉にするよりも、こうしたほうが早い。千明は言い切る前に、ことはに唇を押し当てていた。
「んっ…千明、まだこんな時間やのに…」
「ことはにあんなことされて、俺が黙っていられるわけないだろ?」
「えっ、うちが悪いん?」
「そういうわけじゃないけど…」
 お前、無防備すぎるんだよ。と言いたかったけれど、責めたりしてこの雰囲気を壊したくなくて、口には出さなかった。

「いいんだよ。ことははそうやって、俺に身体を預けてたら」
「千明…」
 最初は乗り気でなかったことはも、千明に身体を触れられるうちに段々と気分が高揚していく。
「千明のそういうとこ、うちは好きやで」
「俺もだよ、ことは」
 見つめあって、また唇を重ねる。こんな朝も悪くないな、と二人は同じように思いながら、昨晩のように身体を重ねた。




2024/12/6






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