「ん…?」
 先日録画した番組を見ようとレコーダーを起動すると、何やら一直には見覚えのないタイトルがずらっと並んでいた。
 気になって、スマホ片手に調べてみると、男性アイドルのアニメらしい。
 ビジュアルを見ると、キラキラした絵柄のイケメンの男性キャラが描かれている。ソーシャルゲームが原作で、若い女性を中心に高い人気を得ているとのことだった。

「朝ちゃんがこういうアニメを好きだなんて…」
 イケメンのアイドルが大勢登場するアニメ…それを朝子が録画していると知れば、一直は内心穏やかではいられなかった。

 するとそこへ、タイミング良く朝子が部屋に入ってきた。
「一直さん、どうかしたの?」
 テレビをつけつつ、スマホの画面をすごい形相で見つめている一直を見て、思わず問いかけた。
「あ、朝ちゃん、これは…」
「ああ、これね。友達が恰好良くて面白いっていうから、私も見てみようかなって」
 なんだ、そんなことか。と朝子は笑ったが、一方の一直は気が気ではなかった。
 例え相手が二次元の男であっても、朝子が自分以外の男にうつつを抜かすなど、あって欲しくなかったのだ。
「ほっ、本当なのか朝ちゃん、あっ、朝ちゃんがおっ、俺以外の男に…その、ときめいて…」
「ふふっ、そんなわけないでしょ。私には、一直さんしかいないじゃない」
「そ、それは本当かい?」
「もちろんよ。私の一番は、一直さんよ」
「朝ちゃん…ありがとう! 朝ちゃん!」
 思わず一直は、感極まって朝子にすがり付いた。
「もう、一直さんったら」
 しょうがないなあ、と思いつつ、朝子は一直のそんなところも好きなんだなあ…と改めて思うのだった。




2025/3/16






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